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病という根本苦さえも、忌み嫌うものでなく、自身を向上させゆく『人間革命』の源泉へと、価値創造していく力です

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  〈みんなで学ぶ教学〉 価値創造 全てが自身を向上させる源泉に マンガ・イラスト 逸見チエコ 今回の「みんなで学ぶ教学」は、「価値創造」がテーマです。日々の生活を、自分を向上させる前進の糧としていける、希望の哲理について学んでいきましょう。どうやら新入会者のカツヤくんは、帰宅の電車から降りたところのようです。 ユタカ カツヤくん、こんばんは。なんだかうれしそうな顔をしてどうしたんだい?    カツヤ あ、ユタカ支部長! こんばんは。今、帰りの電車の中で小説『新・人間革命』を読んでいたんです。    ユタカ しっかり学んでいて偉いね。通勤電車の中は、人によっていろんな過ごし方があるよね。    カツヤ はい。今までは、なんとなく、ぼーっと過ごしていたんですけど、男子部の会合で、多忙な中、工夫しながら資格試験の勉強をしている人の話を聞いたことを、思い出したんです。 だから僕も“学ぶ時間をつくろう”と思って、『新・人間革命』を読むようにしました。通勤の時間は、実はけっこう価値的な時間になりますね。    ユタカ なるほど。カツヤくんは、電車で通勤する時間を、学びの時間に「価値創造」したんだね。    カツヤ そ、そんなにすごいことしているとは思いませんが……。そういえば、創価学会の「創価」って、「価値創造」という意味でしたっけ?    ユタカ その通りだよ。“教育の目的、そして人生の目的は幸福の追求にあり、その実体は価値の創造である”という、牧口先生の思想が込められた言葉なんだ。    カツヤ 深い意味があるんですね。    ユタカ 牧口先生は「価値は発見又は創造せらるべきものである」とつづられているんだ。どんなことでも、“価値あるもの”にしていける人が、幸福な人生を築いていけるんだよ。 カツヤ どんなことでもですか?    ユタカ もちろん。日蓮大聖人は「仏の名を唱え、経巻を読み、仏前に華を散らし、香をたくことも、その全てが、自分の一念に納まっている功徳善根であると信心をとっていくべきである」(御書383ページ、通解)と仰せなんだ。 同じことをするにも、漫然と行うのと、目的をもって行うのとでは、天地雲泥の差があるんだ。 信心の実践は、全て自身の福徳となっていく――その心で広宣流布にまい進する人は、どんなことでも人間革命の糧としていけるんだよ。    カツヤ な...

六根「眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根」が清浄になるってどういうこと?

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  〈みんなで学ぶ教学〉 六根清浄の功徳 わが生命を根源から輝かせる マンガ・イラスト 逸見チエコ 今回の「みんなで学ぶ教学」は、「六根清浄」の功徳がテーマです。信心に励んでいくことで、得られる功徳について学んでいきましょう。新入会のカツヤくんは、いつも通っている道で、ゴミを拾って清掃してくれている人を見掛けたようです。 ユタカ おや、カツヤくんじゃないか、キラキラした目をしてどうしたんだい?    カツヤ さっき、この道の清掃をしてくれている人の姿を見掛けたので、ありがたいなと思って感動していました。    ユタカ その人なら、ずっと以前からこの道や周辺を清掃してくれていたよ。気付かなかったのかい?    カツヤ え! 本当ですか? なんで今まで気が付かなかったんだろう……。    ユタカ 信心に励むようになって、カツヤくんの世界の見え方が変わったのかもしれないね。仏法で説く「六根清浄」の功徳を思い出したよ。    カツヤ 「六根清浄」ですか。初めて聞きました。どのような法理ですか。    ユタカ まず、「六根」とは、「眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根」のことで、見たり、聞いたり、心で思ったりする生命の働きのことなんだ。世界がどう見えて、どう思うか、ということともいえるね。    カツヤ なるほど。    ユタカ たとえば、“おなかがすいたなあ”と思って歩いていたら、飲食店にばかり目がいくよね。同じ景色、同じ香り、同じ味でも、感じ方は、その人の生命状態で変わるんだ。「六根」が清らかになっていくと、正しい認識・判断・行動ができるようになる。それが「六根清浄」なんだ。    カツヤ たしかに、おなかが減っていた時、気付いたら“どのラーメン屋さんに行こうか”とばかり考えていたことがあります。もしかして、「舌根」が清らかになれば、何を食べてもおいしく感じたり、びっくりするほど歌がうまくなったり……。    ユタカ 歌は練習しないとうまくはならないよ(笑)。 「六根清浄」が説かれる法華経の法師功徳品第19は、法師(仏法を行じ、弘める人)の功徳を明かしているんだ。今でいえば信心に励んでいる学会員が得る功徳のことだよ。 日蓮大聖人は「功徳とは六根清浄の果報なり」(御書762ページ)と教えられている。 つまり、信心に励む中で、自然と「六根」が清らかになり、日々の生活の中...

「自分は慈悲がある」なんて言うのは、たいていは偽善者です。だから慈悲に代わるものは「勇気」です

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〈ロータスラウンジ――法華経への旅〉 第30回 嘱累品第二十二 仏の願い、師匠の願いは ただ「広宣流布」にある。 ゆえに弘教に走ることが「報恩」 法華経について、皆で学び、深めよう――「ロータスラウンジ――法華経への旅」の第30回は、「嘱累品第二十二」です。     ■大要 釈尊が、無量の菩薩の頭をなで、“一心に、この経を弘めていきなさい”と語ります。それに応え、菩薩たちが“釈尊の仰せの通りに実践します!”と、誓います。それでは内容を追ってみましょう。    ●シーン1 その時、釈尊は、座から立ち上がり、偉大な力を現します。右手で無量の菩薩の頭をなでて語ります。 「私が無量百千万億阿僧祇劫という久遠の昔に修行した、阿耨多羅三藐三菩提(完全な覚り)の法を、今、あなたたちに付嘱する(教えを弘めるように託す)。 この法を、一心に流布して、広く人々に利益を与えていきなさい」 このように3度、菩薩たちの頭をなでて、述べます。 「私が無量百千万億阿僧祇劫という久遠の昔に修行した、阿耨多羅三藐三菩提の法を、今、あなたたちに付嘱する。 この経を受持・読誦し、広くこの法を語って、一切衆生が聞き、知ることができるようにしなさい」 そして、その理由を語ります。 「仏は大慈悲があり、物惜しみすることも、また畏れることもなく、衆生に仏の智慧を与える。仏は一切衆生の大施主である。それに従って仏の法を学び、物惜しみしてはならない。 未来において、法華経を信じる男女が、仏の智慧を信じるならば、その人に仏の智慧を得させるために、法華経を説き、聞き知ることができるようにしなさい。 もし、人々がこの経を信じ受けることをしないならば、仏の深き法の中において、教えを示し、利益を与え、歓喜させるべきである。 このようにするならば、諸仏の恩を報ずることになる」   ●シーン2 菩薩たちは皆、釈尊の説法を聞き終わって、大歓喜します。 ますます仏を敬うようになり、体を曲げて頭を下げ、手を合わせて、共に語ります。 「釈尊の仰せの通りに実践します。仰せのままにします。 釈尊よ、どうか心を煩わされませんように」 菩薩たちは、このように3度、共に声を上げます。 「釈尊の仰せの通りに実践します。仰せのままにします。 釈尊よ、どうか心を煩わされませんように」   ●シーン3 その時、釈尊は、十方より集まってきた分身の仏たちを、...

頭が痛い場合、コロナ感染リスクが少ない場所では、積極的にマスクを外して新鮮な空気を取り入れる工夫も必要

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  〈健康PLUS〉 コロナ禍で頭痛が増加⁉ 医学博士 丹羽潔さん   新型コロナウイルス感染予防で生活が変化し、頭痛が起こったり悪化したりする人が増えています。マスクを長時間着けることや、生活にメリハリがなくストレスが発散しにくいことが原因と考えられています。医学博士の丹羽潔さんに、コロナ禍の影響で起こっている頭痛の種類や対処法を聞きました。       〈ポイント〉  ① 種類によって対処法は異なる  ② 顔の凝りは毎日ほぐそう  ③ おしゃべりでストレス緩和  ④ 薬を「月に10日以上」は注意     初めて症状を自覚する人も 頭痛を訴えて受診する方が、コロナ禍以前と比べて約2倍に増加していると感じます。頭痛持ちの人が、痛みの強さが増す、頻度が高まるケースと、頭痛のなかった人が新たに症状を自覚するケースがあります。    増えている頭痛は大きく分けて、血管の拡張によって起こる片頭痛と、筋肉が凝ることで血流が悪くなって起こる緊張型頭痛の二つです。もともと日本では片頭痛の患者は約1000万人いるとされ、そのうち約8割が女性です。生理の前に、エストロゲンというホルモンの分泌量が減ることによって、頭痛が起こりやすくなるためです。    また、緊張型頭痛の患者は約3000万人とされています。人間の頭は5キロ程度の重さがあり、それを支えている首はとても凝りやすく、緊張型頭痛の要因になるのです。頭の重さは、性別による違いは、ほとんどありません。ただ、女性は支える筋肉が少ないので、緊張型頭痛も基本的には女性の方がやや多いといえます。    片頭痛と緊張型頭痛は、どちらかの場合もあれば、両方持っている人もいます。対処法を間違えると、逆効果になることもあるので、注意が必要です。見分け方と対処法について、代表例を紹介するので、参考にしてください。      ●こんな症状があったら● ◆片頭痛 〈見分け方〉  ・ズキズキと脈打つような痛み  ・前兆や予兆があることが多い  例)キラキラした光が見える、生あくび、めまい、急な首や肩の凝り  ・吐き気がある  ・ちょっとした運動(階段を上るなど)をすると痛みが強くなる  ・光やにおい、音に敏感になる 〈対処法〉  ・喉仏の横(けい動脈)を冷やす  ・部屋を暗くして安静にする(目を閉じるだけでもOK)  ・コーヒーや緑茶などカフェイ...

脳の中にある線条体は、運動の開始や維持に関係し、やる気が出るのを待つのでなく、動き始めることで活性化するのです。

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  〈健康PLUS〉 脳の力、生かせていますか? 諏訪東京理科大学教授 篠原菊紀さん 人間の思考や活動をつかさどる脳。集中力や発想力、判断力など、勉強や仕事のパフォーマンスは脳の状態に左右されます。今回は、脳科学者で諏訪東京理科大学教授の篠原菊紀さんに、やる気の出し方や脳の力を生かすためのポイント、トレーニング方法について聞きました。   〈ポイント〉  ① まず始めれば、やる気は出る  ② 「見る」ことで集中力アップ  ③ リラックスがアイデアを生む     ルーティンで取り組みやすく “やらなきゃいけないことがあるのに、やる気が出ない……”と悩んでいる人はいませんか? やる気を出すには、「まず行動し始めること」が有効な手段です。脳には線条体というやる気の中核となる部分があります。線条体は、運動の開始や維持に関係し、やる気が出るのを待つのでなく、動き始めることで活性化するのです。 線条体は快感の予測でも活性化します。成績が上がって褒められたり、仕事で報酬を得たりする体験を重ねると、報酬を予測し、線条体の活性化が前倒しされるようになり、やる気や集中力を高めることになります。 また、ルーティン(日課)が、仕事モードに切り替える“スイッチ”になることも。着替える、ネクタイを締める、電車に乗るなど、勉強や仕事をする場所に行くことが、自然とやる気を出すルーティンになっていた人も多いと思います。 しかし、コロナ禍の影響で、在宅勤務(テレワーク)やオンライン授業になり、職場や学校に行かないケースが増えています。移動がなくても切り替えられるよう、仕事や勉強の前に、机の上を拭いたり、今日やることをノートに書いたりするなど、自らルーティンを決めることも工夫の一つです。   休む前に、次の動きを決める 集中力、注意力を高めるポイントは、とてもシンプル。見るべきところを「しっかり見る」と意識することです。例えば鉄道関係の人たちが指さし確認したり、受験生がマーカーで教科書に線を引いたりするのは、そこを強制的に見るためです。 何かを注視すると眼球コントロールに関わる前頭眼野を中心に前頭葉が活性化し、集中力が上がります。注意して見つめることで集中力が上がるのです。 “集中が途切れないのが理想”と思いがちですが、それは不可能です。多くの人は10~15分もたてば、集中力は切れてしまうもの。...

信仰心が薄れ、他者や未知のものに対する畏敬の念が、今、失われているのではないでしょうか?

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〈人間主義の哲学の視座〉第11回 対談集「21世紀への選択」に学ぶ㊤ テーマ:安心と安全 池田大作先生の著作から、現代に求められる視点を学ぶ「人間主義の哲学の視座」。「安心と安全」をテーマに掲げ、今回からは、マジッド・テヘラニアン博士との対談集『21世紀への選択』をひもとく。      【テヘラニアン博士】 対話は平和を保障する唯一の手段。 21世紀において人類が進むべき方向      【池田先生】 「人間性」という共通の大地に立ち、 語り合うことが問題解決の糸口に。            恩師の遺訓 創価学会の平和運動の原点である戸田先生の「原水爆禁止宣言」(1957年9月8日)から、間もなく64年を迎える。    冷戦下の当時、「核抑止論」のもとで軍拡競争が繰り広げられていた。    「私は、その奥に隠されているところの爪をもぎ取りたい」――戸田先生は、核兵器を正当化する思想に潜む生命軽視の“魔性”を糾弾し、青年への「遺訓の第一」として訴えた。     恩師の遺志を継ぎ、世界中で対話と友好を広げ、生命の尊厳を時代精神へと高めていったのが池田先生である。     宣言から38年がたった、96年2月11日。恩師の生誕日に、先生は、「戸田記念国際平和研究所」を創設した。その初代所長に就任したのが、マジッド・テヘラニアン博士であった。    先生と博士は、92年7月以来、10度を超える語らいを重ね、2000年10月に対談集『21世紀への選択』を刊行。これまでに英語、フランス語、アラビア語、ヘブライ語などに翻訳されている。       研究所の使命 テヘラニアン博士は、イラン生まれの平和学者。イスラム世界に造詣が深い。先生との対話は、仏教とイスラムという文明間に橋を架ける作業となった。    対談集の冒頭、二人はそれぞれの生い立ちや、「平和への道」を歩み始めたきっかけを語る。    互いを「よく知る」ことが、友好を深めるための第一歩となり、社会の連帯の力となる。宗教的・文化的背景の異なる二人によるこの対談を、その一助に――これが先生と博士の真情であった。       池田 テヘラニアン博士は、私たちの対談を始めるにあたって、これを「対話への選択」と意義づけたいと提案されましたね。    テヘラニアン 今や私たちの時代は、この「生命」や「平和」と同程度に「対話」が必要とされ...