正しく知ろう新型コロナウイルス 重症化防ぐ「抗体カクテル療法」って何?
〈正しく知ろう新型コロナ〉71 抗体カクテル療法が拡充
厚生労働省は17日に開いた専門家の分科会で、新型コロナワクチンの3回目接種の必要性を認めました。2回目接種からおおむね8カ月以上をめどに接種できるよう、準備が進められています。
こうした中、新型コロナ感染者のうち、軽症段階や重症の恐れのある人に有効な「抗体カクテル療法」が拡充されています。
これは、2種類の抗体(ウイルスなどの異物を排除するタンパク質)を組み合わせた中和抗体薬・ロナプリーブを点滴で投与し、二つの抗体で、ウイルスが細胞に侵入するのを阻止するものです。
原則、発症から7日以内に投与されるもので、臨時医療施設や自宅療養者の往診時などでも処方できるようになりました。
海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを約7割減らすことが確認されており、国内では、東京都の分析(9月3日時点)によると、投与から14日以上経過している420人のうち、400人の症状が改善しました。
また、国内外で、軽症段階で効く飲み薬(経口薬)の開発も進められており、早ければ年度内に飲み薬ができるかもしれないとされます。
重症化防ぐ「抗体カクテル療法」
無床診療所でも可能
公明の提案受け厚労省
新型コロナウイルス感染症の軽症・中等症患者の重症化を防ぐ効果が高い「抗体カクテル療法」について、厚生労働省は公明党の提案を受け、入院施設のない透析医療機関などの無床診療所での外来投与を認める事務連絡を28日付で、都道府県などの自治体に発出した。
同療法は、2種類の抗体を組み合わせた中和抗体薬「ロナプリーブ」を点滴で投与する。公明党の強い主張で外来投与が認められたが、実施できるのは、入院施設のある病院と有床診療所に限られていた。
事務連絡では「患者の病態が悪化した場合に、入院する医療機関と連携すること」などを条件に無床診療所での外来投与を認め、厚労省がロナプリーブを配分する対象に無床診療所を加えた。
同療法を巡っては、重症化リスクが高く、投与の対象となっている人工透析患者について、高頻度で通院する必要のある透析医療機関での投与が望ましいものの、入院施設がない場合は実施できないといった課題があった。
公明党は、日本腎代替療法医療専門職推進協会など関係者の声も踏まえ、16日の党会合で、政府に無床診療所での外来投与を認めるよう要請するなど、粘り強く働き掛けてきた。
2021年9月30日
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