ワクチンの接種は単に感染予防や感染拡大に対する効果だけでなく、後遺症が軽減される

〈医療〉 発症のメカニズムは不明「新型コロナの後遺症」

  • 今日のポイント 若い世代や無症状でも注意

国内での感染者数が80万人を超えた新型コロナウイルス感染症。感染しても軽症あるいは無症状のことも多いのですが、何らかの後遺症に苦しんでいる人も少なくありません。今回は、コロナ後遺症に対応しているヒラハタクリニック院長の平畑光一さんに聞きました。
  

世界で患者数2000万人とも

本年2月、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症にかかった人のうち、10人に1人に12週間以上続く何らかの後遺症があると発表しました。
国内の調査でも、発症から120日たった後にも約11%の人が呼吸困難を訴えています。

まだ、正確な統計はありませんが、世界で2000万人の後遺症患者がいるともいわれており、その数は、これからも爆発的に増えるのではないかと考えられています。

後遺症の症状は、非常に多様であることが特徴です。微熱や倦怠感、頭痛などのほか、胸痛や背部痛、味覚・嗅覚障害、下痢や嘔気、食欲不振や脱毛など、人によって異なります。
同じような症状が続くこともありますが、複数の症状を抱えていることもあります。

こうした症状は、他の疾患でも見られる症状です。加えて、新型コロナウイルス感染症は、感染後、しばらくたつと体内から抗体が消えてしまうので、感染歴の有無を確かめられないこともよくあります。
従って、そうした症状と新型コロナとの因果関係も分かりにくくなっています。 

微熱や倦怠感、頭痛など多様な症状が    
感染症の重症度との関連はない

現在、新型コロナウイルス感染症の重症度と、後遺症の有無や症状の深刻度についての関連はありません。ですので、重症だから後遺症がある、あるいは、ほとんど症状が出なかったから後遺症が出ないということではありません。

後遺症発症のタイミングも人によって異なり、療養期間を過ぎてからすぐだったり、感染症の発症後2~3カ月たってからだったりするケースもあります。そうしたことも、後遺症であることを気付きにくくしている理由の一つです。
また、後遺症が、どのようなメカニズムで発症するのかは、現時点では分かっていません。

原因が分からないことから、治療法は確立しておらず、現状では、それぞれの症状に応じた対症療法が中心になっています。

特に若い世代では、新型コロナウイルスに感染しても重症化しないから大丈夫と考えている人もいるようですが、無症状だった、あるいは軽症だったからといって後遺症が軽いとは限らないのです。かえって無症状だったのに、ひどい後遺症に苦しんでいる人もいることを知っておいてください。 
 

「EAT」という対症療法で効果

新型コロナウイルスに感染後、回復した人の中に、軽い作業の5~48時間後に「体がだるくなる」といった倦怠感を訴える人が多くいます。これを「PEM」といいます。

かつて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の時にも同じような症状が確認されています。

PEMが現れると、それを我慢して体を動かしていると、寝たきりに近い状態になる「クラッシュ」を起こしやすくなります。

PEMが見られる場合には、軽めの運動だけでなく散歩なども控え、とにかく安静にすることが必要です。
こうした場合、現在、対症療法として大きな効果があるのが、一部の耳鼻咽喉科などで行われている「上咽頭擦過療法(EAT)」です。

これは、通常、慢性上咽頭炎の患者さんに対する治療で、消炎剤の塩化亜鉛溶液を染み込ませた綿棒などを上咽頭に塗る治療です。コロナ後遺症のほとんどの場合、上咽頭に炎症が見られるので、一度、試してみるとよいでしょう。 
 

ワクチンの接種でも症状が軽減

さらには、現在、進められているワクチン接種にも効果が期待されています。
海外の研究では、ワクチンの接種に、単に感染予防や感染拡大に対する効果だけでなく、後遺症が軽減されたとの報告があります。

アメリカの疾病対策センター(CDC)も、一度、新型コロナウイルスに感染した人についても、ワクチン接種を勧めています。
自身の体調や既往症などを踏まえ、かかりつけ医と相談し、検討してみてください。

新型コロナウイルスに感染すると、嗅覚・味覚障害が起こりやすくなる、血液に異常が起こり、脳・心血管疾患のリスクが高まるとされています。
また、糖尿病や高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがあると、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすいことが分かっています。
後遺症はもちろんのこと、新たな変異株など、新型コロナウイルスに対することは、分かっていないことも数多くあります。

一人一人が現時点での正しい情報をもとに、基本的な感染予防対策を怠らないことが重要です。

各種検査で異常がなかったとしてもコロナ後遺症の可能性があります。一部の医療機関に開設されている相談窓口なども活用ください。 
 

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